鉄骨製造部の仕事について
Q.まずは担当されている仕事について、教えてください。
坂本
一次加工を担当しています。入荷した材料に加工できるよう、柱や梁に取付ける部品の孔あけの作業です。工程の最初に行う作業で、設計部が3DCADで作成した製図を元に、数値をロボットにインプットし、NC機械加工を施します。この機械のオペレーターの資格はありませんが、のちの工程や精度に大きく影響する重要な役割を担っており、慣れるまでかなりの経験と技術が必要となります。
肥塚
私は工場全体を統括する工場長と、柱の組み立てを行う製造グループのグループ長も兼任しています。梁も柱も建物に不可欠な部材であり、共に建築物の力を支える最も重要な構造部材です。柱は水平方向の力を支えるために垂直方向に伸び、梁は垂直方向の力を支えるために水平方向に伸びている部材になります。
中藤
私は肥塚と同じ組立でも、柱ではなく梁の組み立ての担当です。その製造グループ長としてスタッフに業務の指示を行っています。
印象に残っている案件
Q.長年の勤務経験のなか、色々な建物の梁や柱をつくってこられた3人。
何か印象に残る案件はありますか?
肥塚
2000年に竣工した「タキロンシーアイの揖保川事業所」の工場建築ですね。2019年から手掛けた規模の大きな工事でした。僕達は建物のパーツしか扱っていないので、完成建築物を見ると、驚く程バカでかくて(笑)、こんな大きな建物を支える鉄骨をつくっていたんだと、改めて感動しました。揖保川事業所は国内随一のポリカーボネート生産量ということで業界でも注目を集めています。
中藤
僕も自分が手掛けた鉄骨の完成建築物は必ずチェックしますね。入社してすぐ手掛けた「ディスカウントドラッグコスモス」とか。あの時はうまく出来ずに何度もやり直したなとか、失敗したことも忘れずに覚えています。
坂本
躯体部分って建物が完成してしまうと見えないけれど、外観から自分が手掛けた部分はわかりますよね。平松で働くようになって、自社の仕事でなくても街で階段の手すりなど、溶接部分を自然に見るようになりましたね。「どこの会社がやったの?雑だなぁ」とか、平松の技術クオリティの高さを改めて実感しています(笑)。
平松の強み・新しいことにチャレンジする社風
Q.同業社のなかには倒産したり、
工場の閉鎖に追いやられた会社がたくさんあります。
なぜ、平松はつぶれないか? 何が違うのでしょうか?
中藤
つくっている製品はどこの会社にも負けないという自信があります。工場長の肥塚さんはもちろん、坂本君も、皆が非常に高い技術を持っています。
坂本
面と向かって褒められると、照れますね(笑)。僕は平松の強みの一つとして、社長や専務が“新しいもの好き”だからではないかと思っています。倒産してしまう会社は一定のところで止まってしまっている。その点、平松は常に新しいロボットを入れる、新しいパソコンやソフトを完備するとか、新技術にも躊躇なく取り組みます。
肥塚
昨年、本社と工場を新設しました。以前は第一工場、第二工場とわかれていたため、材料を移動させなければならず、余分な時間やコストがかかっていたのが、一つにまとまったので、仕事が進めやすくなりました。設備も新しくなって気持ちいいし、一つの棟に皆が集まってきたので、これからはもっと結束力を強めていかなければならないですよね。
中藤
坂本君が言うように、倒産する企業に共通して言えるのは進化がないこと。「これさえしていたらいいだろう」と変わろうとしない会社は時代の変化についていけず、終わってしまっている。その点、社長や専務は新しいことを決める度胸がある。勇気がなく、置いてけぼりになって失敗した会社で働いていた経験があるから、よくわかります(笑)。挑戦することが危ないか危なくないか、経営者が適格に判断して、前へ進んでいく。時代の変化にのって、尽きない追求をできるのが平松のいいところです。
肥塚
常に上をみて、新しいことにチャレンジする。進もう、やろう、新しいことという社風があるよね。それが鉄骨に、新しい価値を創造していっているのかもしれないですね。
坂本
工場が新しくなって人も機械も配置が変わり、これから最適化していくことで、もっと流れがよくなるはずです。僕はそのための新工場の業務改善にも携わっているんですよ。
中藤
そうそう、中堅の坂本くんたちが頑張ってくれているよね。僕と十川さんは新工場に移転した頃、業務改善の外部研修に行き、会社全体の課題を抽出しました。これからも常に現状に満足せず、こっちの方が良いのでは?という改善を進めていきたいですよね。
坂本
改善の第一歩として、ご意見ボックスを設置して、誰でも提案できる仕組みをつくりました。新人社員でも意見が言えるよ!と期待していましたが、誰も何も言わない…。そこで小井住くんたちと協力して、もっと若手の声を引き出すよう促しているところです。
中藤
現場の若い人たちも、自分たちの働く場所なのだから、上任せにしないで、もっと活発に意見を出してほしいですよね。これからに期待しています(笑)。